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Klippel Feil Syndrome概論 [医学~臨床]

こどものうちに診断がつく症候群についての勉強をしています。
今日はKlippel Feil症候群。 [クリッペル・フェイル]と読んでいます。

古典的には短頸、頚椎奇形、毛髪のはえぎわの低位を3主徴とする症候群で、
前にも一度記事にして勉強しました。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-09-27

<症状>
外観上、首が短くて肩をすぼめている様な姿勢になります。
また髪の生え際が低位ですので、特徴的な姿となるため
一度患者さんを診たら忘れない、という印象です。

頚部の奇形には、数レベルにわたる頚椎の先天性癒合があり
そのため頚椎の運動制限がありますが、その隣接椎間では異常可動性があり
かえって不安定なため、頚椎症から神経症状を呈する事があります。
つまり頚部の痛みから、四肢・体幹のしびれや運動麻痺などです。
とくに頭頸移行部の奇形が合併している場合には、神経症状の発現頻度が高くなります。


<診断>
特徴的な外観と、頚椎のレントゲン像2方向を撮る事で比較的容易に診断可能です。
しかし、幼少児・頚椎癒合が頭頸移行部にある時などでは
判断が難しい事があり、CTとくに3D-CTが有用となる場合もあります。

<頻度>
骨格標本によるデータで0.71%に頚椎先天癒合があったとの報告があります。
1000人に7人ですから、気にしていれば出会うであろう疾患といったところです。
(気付かず見過ごされている事も多いようです)


<原因>
胎生期における脳脊髄液(CSF)の肢芽への異常貯留説:bleb theoryや
鎖骨下動脈血流障害:cubclavian artery supply disruption説などが唱えられています。


<治療>
頚椎症による神経症状を呈する場合に治療の対象となり、
通常の脊椎手術同様、固定術・除圧術が行われます。

特に脊髄症状(体幹・下肢・膀胱直腸への障害)が出ると
外科的処置を余儀なくされる事があり、そうなりやすいパターンは以下の通りとされています。
 ・可動性良好な椎間板の上下に癒合椎がある場合
 ・頭頚移行部の奇形にC2(第2頚椎)以下の癒合を合併する場合
 ・脊柱管狭窄を合併する場合

また脊髄症状の危険性を減らすため、接触スポーツや格闘技は避けさせます。

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弁護士 荒井俊且

初めまして。私は大阪弁護士会で活動する弁護士の荒井俊且と申します。
突然コメントを差し上げて、申し訳ございません。

実は現在、ある交通事故の裁判で被害者側の弁護を担当しております。その方は事故で重い障害を負ったのですが、事故後の検査で先天的頚椎癒合があったことがわかり、いろいろ調べているうちに、偶然に貴方様の「女医の毎日お勉強!日記」を見つけました。

貴方様のklippel feil syndrome概論のブログの中で、「〈頻度〉骨格標本によるデータで0.71%に頚椎先天癒合があったとの報告があります。」と紹介されていますね。
その被害者の負った障害と交通事故との関連において、どの程度、先天的頚椎癒合が生じ、一般にそれほど珍しいことではないか否かは、非常に重要な要素となるポイントとなっています。貴殿のブログ内の上記記述は、かなり多数の事例を調査した論文に依拠されたものと思われますので、ぜひともその論文ないし研究の内容を入手したいと思いご連絡差し上げました。

誠に厚かましいお願いなのですが、是非この事実の出典を知り、医学資料として入手したいと思っております。お忙しいところ大変恐縮なのですが、ご協力をいただけませんでしょうか。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

by 弁護士 荒井俊且 (2016-06-13 11:54) 

Kite

荒井先生
お尋ねありがとうございます。
私の記事のネタ元は、一般的な教科書ですが、そこに出典の記載がありました。
雑誌:American Journal of Roentgenol
    92巻(1964年)page1255-1259
タイトル:"The incidence of acquired and congenital fusions in the cervical spine"
著者:Brown MWらによる論文のようです。
by Kite (2016-06-14 16:03) 

弁護士 荒井俊且

Kite 先生

さっそくお返事をいただきまして、ありがとうございます。
大変助かります。さっそく調べてみようと思います。
お忙しいところご協力をいただきまして、心より御礼を申し上げます。

なお、他のお医こちらでも同じように0.7%の奇形率とのことです。者様にお聞きしたところ、下記の情報をいただきました。ご参考まで。

わが国における急性期・回復期脊髄損傷者リハビリ治療の現状と展望 2006年 データベース結果を振り返って MRIによる日本人頸髄の形状
非骨傷性頸髄損傷の予防に向けて(原著論文) - Author:加藤 文彦
http://search.jamas.or.jp/api/opensearch?q=[%89%C1%93%A1%95%B6%95F]/AU
(中部労災病院整形外科) - Source: 日本脊髄障害医学会雑誌
http://search.jamas.or.jp/index.php#
(1348-3242)21巻1号 Page26-27(2008.05)


by 弁護士 荒井俊且 (2016-06-17 14:29) 

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