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CPR中はたくさん胸骨圧迫を! [講習会]

昨日に引き続き、心肺蘇生に関する最新ガイドライン関連のお勉強です。

最新版である2010年版コンセンサス・ガイドラインには、
なるだけ沢山、胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしましょう!
というコンセンサス・勧告があります。

“なるだけ沢山”というのは、圧迫の回数やテンポだったり、
圧迫の深さだったり、中断時間の短縮だったりするのですが
それらのコンセンサス・勧告の根拠の一つがこの論文です。

Chest Compression Fraction Determines Survival in Patients with Out-of-hospital Ventricular Fibrillation
(Iim Christenson. et al., Circulation 2009; 120(13): 1241-1247)

「多くの時間を圧迫に費やした方が、生存退院率が改善した」事を示した
多施設参加型前向きコホート研究です。Abstractを引用します。

(以下、引用分)

Background
Quality CPR contributes to cardiac arrest survival.
The proportion of time in which chest compressions are performed in each minute of CPR is an important modifiable aspect of quality CPR.
We sought to estimate the effect of an increasing proportion of time spent performing chest compressions during cardiac arrest on survival to hospital discharge in patients with out-of hospital ventricular fibrillation or pulseless ventricular tachycardia.

Methods and Results
This is a prospective observational cohort study of adult patients from the Resuscitation Outcomes Consortium Cardiac Arrest Epistry with confirmed ventricular fibrillation or ventricular tachycardia, no defibrillation prior to emergency medical services arrival, electronically recorded cardiopulmonary resuscitation prior to the first shock and a confirmed outcome.
Patients were followed to discharge from hospital or death.
In the 506 cases, the mean age was 64 years, 80% were male, 71% were witnessed by a bystander, 51% received bystander cardiopulmonary resuscitation, 34% occurred in a public location, and 23% survived.
After adjustment for age, gender, location, bystander cardiopulmonary resuscitation, bystander witness status, and response time the odds ratios of surviving to hospital discharge in the two highest categories of chest compression fraction compared to the reference category were 3.01 (95% CI, 1.37, 6.58) and 2.33 (95% CI, 0.96, 5.63).
The estimated adjusted linear effect onodds ratio of survival for a 10% change in chest compression fraction was 1.11 (95% CI, 1.01, 1.21).

Conclusion
Increased chest compression fraction is independently predictive of better survival in patients suffering a
prehospital ventricular fibrillation/tachycardia cardiac arrest.

(以上、引用分)

日本語に訳してみました。

(以下、和訳分)
<背景>
CPRの質は心停止後の生存に寄与する。
CPR中にどれだけの時間を胸骨圧迫しているかは、CPRの質の重要で修正可能な側面である。
我々は、院外で心室細動(VF)や無脈性心室頻拍(VT)だった患者の心停止中に、胸骨圧迫を行う時間を多くする事でどれだけ生存退院率に影響するかに関して、研究した。

<方法と結果>
これはResuscitation Outcomes Consortium Cardiac Arrest Epistryにより、VFまたはVTで、救急隊が到着するまで除細動はなされておらず、最初のショックまでのCPRが心電図でモニターされていて、結果が分かっている成人の患者に関する前向き観察コホート研究である。
患者は生存退院か死亡かで分けられた。
506症例で、平均年齢64歳、80%が男性、71%が傍にいた人(バイスタンダー)に目撃されていて、51%はバイスタンダーによるCPRをうけており、34%は公共の場所で起こっており、そして23%が生存した。
年齢・性別・場所・バイスタンダーCPR・目撃の有無・そして反応時間で補正したうえでの生存退院のオッズ比は、胸骨圧迫をした時間(CCF)でわけたうち2つのカテゴリーで最も高く、3.01と2.33であった。
CCFにおける生存10%変化に関するオッズ比の推定補正一次効果は1.11であった。

<結論>
CCFを上げる事は、他とは独立して、院外VF・VTで心停止の患者さんがより生存できる予後因子となりうる。

(以上、和訳分)

CPR中には、胸骨圧迫だけでなく人工呼吸をする時間もありますし
体が動いたかも知れない・・と思って反応を確認したりする時間もあるかも知れません。

ただ、この論文から導かれる結論は
「CCFは単独で、VF/VTの患者の予後を左右する」という事であり
提言としては「VF/VTの患者ではCCFを上げよう」、
つまり「CPR中はなるだけ沢山の時間、胸骨圧迫をしましょう」
という事になるわけですね。



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hokum

こんばんはKiteさん
5年前に消防署で救命講習を受けましたよ
たしかにCPRは30回して人工呼吸2回て教わりました
実際にやるとなると自分は多分頭が真っ白になるかもです

by hokum (2011-08-25 21:09) 

Kite

hokumさん、いつもありがとうございます。
救命講習を受けられたのですね~。訓練しておくのは大事みたいです。
いざという時、頭が真っ白になったとしても
「あのとき訓練した」という自信が、CPRをやる勇気になります!
by Kite (2011-08-26 09:01) 

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