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テリパラチド~PTHの特徴的な働き [医学~基礎]

以前、骨形成促進剤テリパラチドの禁忌について触れた時に
高カルシウム血症の人には禁忌だと記事にしました。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2011-08-10

テリパラチドはPTHの活性部位を精製してお薬にしたのですから
簡単に言えば「PTHを効かせる」というのが薬理作用です。

しかし、少なくとも私の学生時代の内分泌学を勉強した記憶に限れば(^^ゞ
PTHは骨からカルシウムを取りだし、血中カルシウムを上昇させるホルモンです。

PTHは血中カルシウム上昇(骨吸収促進)作用もあって骨形成促進作用もある、
両刃の刃の様な特徴的な働きがあるのですね。
その点について、もう少し詳しく勉強したいと思います。

PTH; parathyroid hormoneは副甲状腺ホルモン・上皮小体ホルモンと呼ばれますが
このホルモンの作用方法(投与のやり方)によって
骨に対する働きが“真反対”なのだそうです。

まず持続的に作用した場合ですが、これは少量ずつずーっと作用する方法です。
副甲状腺機能亢進症などがこれにあたります。
骨からカルシウムを取りだして血中へ送る役割をする"破骨細胞"の数・機能が増強され
結果として"骨吸収促進"をし、血清カルシウム値が上昇しますし骨は脆弱になります。

一方、間欠投与のように時々作用する状態では、働きが逆になるそうなのです。
骨へのカルシウム取り込みを担う"骨芽細胞"が死ぬの(アポトーシス)を抑制したり、
骨芽細胞が出来るのを促したり(前駆細胞からの分化や機能促進)して
"骨形成を促進"させるというのです。骨量・骨強度増強につながるわけです。
テリパラチドの1日1回20μg皮下投与は、これにあたるわけですね。

なぜこのような特異な作用をもっているのでしょうか?

残念ながら、その理由は分かっていないそうです。
動物実験でこのような働きが証明された後、臨床試験を経て
やはりそうなのだ、と確認されている状態のようです。

生理動態や病態学的な仕組みの解明は、
今後の分子生理学的解析を待つ、といったところでしょうか。

ちなみにこの日本最新の骨粗鬆症薬、テリパラチドは
2002年からアメリカでの使用が開始されています。
現在までに日本では7600人、世界では90万人に投与されているそうです。

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stargazer

つきなみですが、人体の神秘ですね。
動物もか~。(^_^;)
by stargazer (2011-08-16 19:59) 

Kite

stargazerさん、いつもありがとうございます。
神秘も徐々に科学で解明されていますが、まだまだ分からない事がたくさんありますよね。
その分、夢がある気もしてます(^^)
by Kite (2011-08-17 18:44) 

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